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うなぎ/食の記憶

うなぎ
(写真 東京西麻布いわ田の特注天然うなぎ)

小学校5,6年のころだっただろうか.
夕方,父が川にうなぎを釣りに行くと言い出した.
家の裏の川の天然うなぎだ.
この川は,大川の支流で,両側に石垣のある幅約1.5メートルくらいの水量の多い小川だった.

そもそもあんな川にうなぎなどいるわけないと思った.
いたとしても釣れるわけないと思った.

父は仕掛けを作った.
10メートルくらいの凧糸の先に大きなうなぎ針を取り付けるとと,凧糸のもう一方の端に竹片を結びつけた.
これを数個作った.
川に向かう途中,父は,途中の小川でザルを使って,”げにはち”と呼んでいた赤みがかかったゴリに似た魚を何匹か捕まえた.
うなぎのえさにするのだ.

裏の川に行くと,父は,げにはちを針につけ,凧糸を竹片に巻き付けた.
これを川の側面の石垣の間に入れて固定した.
げにはちをつけた針は,川の中に沈めた.
何カ所かに仕掛けた.これで朝まで待つのだと言う.

翌朝,半信半疑のまま父について行くと.石垣に仕掛けた仕掛けの一つから凧糸が小川の中に延び,その先に白い腹をしたヘビのような長いものが川の流れにたなびいていた.
天然うなぎだ.
本当に釣れるのだと驚いた.
父の偉大さを実感したものだ.

さて,その天然うなぎだが,その後,食べた記憶がない.
食べたがその味を忘れてしまったのかもしれない.

ふと,そんなことを思い出すと,天然うなぎが食べたくなった.
妻に家の近くの高級魚屋「いわ田」(東京/西麻布)に予約してもらった.
届いた天然うなぎは立派なもの.
おそろしく高価だ.
半身で\7000.

自宅のベランダで炭火で白焼きにしてみた.
天然わさびと醤油で食べてみた,
油が乗っていて旨い.
実に旨い.
天にも昇る気持ちだ.

この味に触れて,あの少年の時の思い出のうなぎは,父が僕に内緒でこっそりと食べてしまったのではないかとの疑念が頭をよぎった.
(2006/7)

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