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木の芽田楽

木の芽田楽

函館時代.
裏庭のふきが大きくなったころ,表の庭ではライラックの花が咲いた.
北海道を代表する薄紫色の花だ.
ライラックの木の隣には,大きな山椒の木があった.
見ると枝から山椒の新芽がびっしりと出てきていた.

これを見て,少年のころ,母が山椒の新芽で山椒味噌を造り,豆腐田楽を作っていたことを思い出した.
山椒の香りが素晴らしい木の芽田楽だった.
これだけたくさんある山椒の新芽を使わない手はない.
作ってみよう.酒の肴には絶好だ.

そのためには,おいしい豆腐が不可欠だ.
近所を調べてみると,青柳坂の途中にいい豆腐屋があった.
佐々木豆腐店だ.
創業明治16年.
函館山の湧水を使った手作り豆腐のお店だ.
週末,さっそく佐々木豆腐店で木綿豆腐を購入.
水を入れたボールを重石にして半日かけて水切りした.

夕方,山椒の芽を大量に採ってきて,すり鉢でゴリゴリ擦る.
みりん,砂糖,甘味噌を投入して滑らかになるまで更にすりつぶす.
鮮やかなグリーンの山椒味噌ができた.
ものすごい山椒の香り.期待が持てる.

フライパンに軽く油を塗って適当な大きさに切った豆腐に竹串を刺して焼.
片面が焼けたら裏返して山椒味噌を塗って更に焼く.
木の芽田楽の完成だ.

酒の肴にした.
実に旨い.
老舗豆腐店の旨い手作り豆腐と山椒味噌の風味のコラボ.
豆腐1丁分,あっという間にたいらげた.
(2007/6)

木の芽/函館

水仙の咲く4月から5月にかけて,庭の木々がいっせいに芽吹いた.
このころには,まだ葉をつけていなかった山椒は,5月の終わりころ,新芽を吹き始めた.

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