jov's house

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酢さば(しめさば)

酢さば(しめさば)

父は,時々,一人下宿生活を送る僕の様子を見に田舎から出てきた.
夜は,居酒屋に連れて行ってくれた.
栄養補給だと言っていた.
酒や旨い物が好きなグルメの父らしい.

父の行き付けの大衆酒場に旨い酢さばがあった.
このお店の酢さばは,さばの皮を取り払い,あっさりとした酢に漬けたもの.
酒の肴に特化された旨い酢さばだ.
賀茂鶴や菊正宗といった辛口の酒によく合った.
父は,このお店の酢さばが好きだったのだろう.
もとより僕もファンとなった.

だから,今での酒の肴によく食べる.
旨い酢さばには目がないのだ.

写真は,西麻布「いわ田」の酢さば.
皮付きの酢さばだが,さばの質はさすがに見事だ.
なお,「いわ田」は,ご夫婦で経営されている鮮魚店だ.
ご主人が本を2冊も書かれて出版されている.

その本によると,おいしい魚を仕入れてお客さんに食べてもらい,喜んでもらうことを生き甲斐に魚屋をしているそうだ.
ご主人は,毎朝築地に出かけていい魚を仕入れてこられる.
(2006/8)

おつくり

おつくり

20歳を過ぎた大学生のころから,酒を飲むようになった.
そういえば,父は,毎日,ごはんのおかずを肴に晩酌をしていた.
夏でも熱燗だ.
そんな姿を見てきたのと,父の血を引いているのだろう.
大学生のころから,いつしか僕も毎日晩酌をするようになったのだ.

もちろん,結婚後もその習慣は続いた.
晩酌に一日の疲れが癒された.
日本酒やウィスキーが好物だ.
ウィスキーといっても,給料が安かったからせいぜいサントリーの角瓶.

旨い酒を飲むには肴がいる.
一番好きな酒の肴は,やはり刺身だ.
特に,ひらめ,たい,まぐろが大好きだ.
高級魚ばかりだが,妻は,スーパーで安くておいしそうな刺身を見つけてくる.
結構旨い.
大の刺身好きは,今も変わらない.

今日のおつくりは,西麻布「いわ田」のおつくり.
まぐろの大とろとひらめだ.
実に旨い.

酒は久しぶりに日本酒にしよう.
「獺祭」(だっさい)だ.
山口県の旭酒造という小さな酒蔵が製造している.
日本酒の中でもトップクラスの旨い酒だと思う.
純米大吟醸磨き3割9分.
実に爽やかだ.
旨い肴においしい日本酒.ああ大満足だ.
(2006/7)

山かけ

山かけ

まぐろの山かけは,父の好物だった.
刺身と田舎料理の融合したものだ.

確かに酒の肴に適している.
だから,結婚してからは,妻に作らせては肴にするようになったのだ.

まぐろのぶつ切りに長芋のすり下ろしをかけ,醤油をかけて食べる場合と,まぐろのぶつ切りをわさび入りの割りしたに漬けてまぐろのづけを造り,長芋をかける場合もある.
いずれにしてもそのあっさりとした味わいは,酒とよく合う.
ウィスキーにも合うから不思議なものだ.

まぐろは良いものではなくてもかなりいける.
作り方も簡単.
その点でもいい酒の肴だ.

今でも僕の常食の肴だ.
(2006/11)

にぎり鮨

にぎり鮨

妻は料理が下手だ.
このことは,彼女自身も認めているのだ.
だが,食材の入手はうまい.安くていいものを買ってくるのだ.
テイクアウトも然り.
いろいろな店に行っては,テイクアウトをしてくる.

妻がよくテイクアウトしてくるものににぎり鮨がある.
僕は,もともと魚好きだから,どうせ外で飲むなら鮨屋のカウンターで,おいしい刺身やにぎり鮨を肴にして飲むのが好きなのだ.
ただ,仕事の関係でなかなか鮨屋には行けない.
行く時間ができたとしても家で飲んだほうが落ち着ける.

そこで,妻の使命は,休日の夕方に,鮨屋のカウンターで出してくれるレベルのおいしいにぎり鮨をテイクアウトしてくること.
妻自身鮨が好きだということもあるのだろう.
お店の選定,ネタの指定など,この課題をよくこなしている.
鮨にうるさい僕のために,お店の人といろいろ交渉して持ち帰っているようだ.

にぎり鮨

というわけで,僕は,いつも家に居ながらにしておいしいにぎり鮨を食べられるのだ.
この妻の仕事は,今も続いている.

写真は,最近食べたテイクアウト鮨.
上から順に廣瀬(東京/西麻布),井上(東京/西麻布)の鮨だ.
持ち帰りに時間がかかる分,若干鮮度は落ちるが,いずれもハイレベルだ.
特に西麻布廣瀬のにぎり鮨は,江戸前の伝統の上にオリジナリティーを出した細工が見事だ.
酒の肴にぴったりなのだ.
(2006/6〜8)

三つ葉のおひたし

 三つ葉のおひたし

函館に住んでいたころのことだ.
5月のある日の午後,たんぽぽで埋め尽くされた庭を眺めていた.
よく見ると,たんぽぽの花の間に無数の3つの葉を付けた草が生えている.
何だろう.

妻が言った.「三つ葉だよ」.
えっ!
まさか庭に三つ葉が・・・.
三つ葉なら絶好の酒の肴になるではないか.

さっそく一本摘んで香りをかいでみる.
おお,何と三つ葉の香りだ.天然三つ葉だ.

驚いた僕は,以後,毎日のように大量の三つ葉を積んだ.
茎が柔らかくなる程度にさっと茹でる.
ポン酢とゆずの皮を使って,あっさりとしたおひたしにしたのだ.
これを肴に飲むウィスキーの味は,また新鮮だった.
(2002/5)

きょらぶき

きょらぶき

まだ細くて柔らかいふきの茎を,だし汁,醤油,みりん,砂糖で煮た佃煮のことだ.
僕がまだ少年のころ,母が作っていた料理だ.

函館に住んでいたころ.
家の裏庭に大量に生えかけているふきを,みすみす見逃すわけにはいかない.

休日の午前中,さっそく,レジ袋一杯に採ったふきを採る.
台所ばさみで葉っぱを切り落として茎を切りそろる.
ボールにあけて粗塩で塩もみし,水につけてアクを取る.
夕方,だし汁と調味料を入れ,落としぶたをして煮てみた.

ウィスキーの肴にする.
まずますの出来た.
自分の家の庭で採れたふきだけに,その味は格別だった.
(2002/5)

木の芽田楽

木の芽田楽

函館時代.
裏庭のふきが大きくなったころ,表の庭ではライラックの花が咲いた.
北海道を代表する薄紫色の花だ.
ライラックの木の隣には,大きな山椒の木があった.
見ると枝から山椒の新芽がびっしりと出てきていた.

これを見て,少年のころ,母が山椒の新芽で山椒味噌を造り,豆腐田楽を作っていたことを思い出した.
山椒の香りが素晴らしい木の芽田楽だった.
これだけたくさんある山椒の新芽を使わない手はない.
作ってみよう.酒の肴には絶好だ.

そのためには,おいしい豆腐が不可欠だ.
近所を調べてみると,青柳坂の途中にいい豆腐屋があった.
佐々木豆腐店だ.
創業明治16年.
函館山の湧水を使った手作り豆腐のお店だ.
週末,さっそく佐々木豆腐店で木綿豆腐を購入.
水を入れたボールを重石にして半日かけて水切りした.

夕方,山椒の芽を大量に採ってきて,すり鉢でゴリゴリ擦る.
みりん,砂糖,甘味噌を投入して滑らかになるまで更にすりつぶす.
鮮やかなグリーンの山椒味噌ができた.
ものすごい山椒の香り.期待が持てる.

フライパンに軽く油を塗って適当な大きさに切った豆腐に竹串を刺して焼.
片面が焼けたら裏返して山椒味噌を塗って更に焼く.
木の芽田楽の完成だ.

酒の肴にした.
実に旨い.
老舗豆腐店の旨い手作り豆腐と山椒味噌の風味のコラボ.
豆腐1丁分,あっという間にたいらげた.
(2007/6)

木の芽/函館

水仙の咲く4月から5月にかけて,庭の木々がいっせいに芽吹いた.
このころには,まだ葉をつけていなかった山椒は,5月の終わりころ,新芽を吹き始めた.